「あんたのパンツいつまで洗うの」?!

「あんたのパンツいつまで洗うの」?!強がって息子の前では、そう言ってはいたが、いざ息子が家を出ていってしまうと、寂しさが一気にこみ上げてきた。そしてなぜか無性に腹が立った。泣いた。涙は熱かった。
子供が小さい頃、主人が逝った。女手ひとつで、ここまで育てた。「子供のため、子供のため」だけを考えてきた。苦労もあった、大学も卒業させ、一流会社に入社、とにかく一人前に、一人前に、と思ってがんばってきた。いざ一人前になって就職で社会人、親元を離れてのお勤め、もう息子のパンツは洗えない。
・・・・・・しかも、これからは息子のパンツは彼女が洗うらしい!!フム!!!
何か気が抜けた。息子がいるときは「暑苦しいな」と思っていたが、いざいなくなると、一人きりのマンション、仕事で疲れて帰って「ただいま~」パチリと自分で部屋の電気をつける。家の中の空気の温度が下がってしまった。

本当に、鳥の雛が飛び立った後の「空の巣」・・・・・・・とりあえず、さびしい。


ここで、男の下着を洗ってくれる女性の話をいくつか。
昔話の「鬼のふんどしを洗う女」

? あるとき、仲のよい男と女がいた。そこへ、鬼がやってきて、男を痛めつけた挙句、女をさらっていった。何とか助け出さねば。男は女を取り返すため鍛えた。空手、柔道、・・・・鍛え、鍛え、鍛え上げた。そして鬼の下へ・・・・。なんとさらわれた女は、のんびりと川で鬼のふんどしを洗っていた。女いわく、「だって仕方がないじゃない、いまさら」。女性の「環境適応性のよさ」の話か。


坂口安吾の小説に出てくる「青鬼の褌(ふんどし)を洗う女」
?? 堕落じゃなく、この人は「自由奔放・変幻自在に生きる女」でしょう。


よしこさん、この10何年、「お母さん よしこ」として一人でがんばってきました。ご苦労様! また、旧姓の「××よしこ」に戻りましょうか。
男の下着を洗う女性は、「環境適応性」がよいのであります。そして「自由奔放・変幻自在に生きる女」であるのですから。