薬は本当に必要か?

医者に行けば薬が出ると思っている人が多い。

本当に薬が必要か?

薬の必要のない、よくあるパターン 2種

1)老年の不眠

高齢のかたが、「寝れない」、という時には、簡単な質問、「何時に寝て何時に起きますか?」と必ず聞く。

お年寄りの不眠でよくあるのは、「寝れない」というので、よく話を聞いてみると、宵の口何もすることがない、TVも面白くないので、8時から寝る。すると3?4時に目がさめてしまう、朝早くに目が覚めて困る、早く起きても何もすることがないので薬でもっと寝ていたい。

この人たちには、良?く、説明した上で、すまんけど、もうチョット遅くまで起きていていただくようお願いする。または早く起きるのは当然と考えるべきであると説明する。

高齢の方に睡眠薬を変に出すと、ふらついて転倒したり、せん妄を起こしたりする。目上の方が多くて、なかなかお願いしにくい場合が多い。

2)アルコールの不眠

お酒を飲むと、大抵は眠りが浅いので、早く起きてしまう。これはアルコールの作用であるので、お酒を飲んだら、眠りが浅い、早く目がさめるのは当然と考えるべきである。多いのは中年のサラリーマンさん、眠りが浅く早く目が覚めてしまう。よーく、聞くと、かなりの深酒、すると眠りが浅い、早く目がさめる。

この人たちには、お酒を飲んだら眠りが浅く、早く起きるのは当然と考えるべきであると説明する。

3日でいいからお酒を止めてみることを提案する。1?2日ではあまりにわからないが3日禁酒すると、熟眠できることが実感できる。

大抵は抗議の感情を込めて「エーエーッ」大声で反応する人が多い、酒飲みは、なかなか言うこと聞いてくれない。私もその一人。

ある患者さん、やっとこさ、説得に応じてくれた。

「1、2日では分からなかったが、3日したらわかりました、頭がスーッと進むし、体が軽い、俺、天才ちゃうかな、と思いました!」だそうです。

こういう説明と説得は、ハイハイと薬を処方するより手間暇かかる、また嫌がられることがあるので、要注意です。

指きり!

約束!約束!

患者さんとよく指切りをする。

心配、心配。

「死んでやる!」、「薬を飲まない!」、「薬をたくさん飲んでやる!」などなど心配せてくれることばかり、言う。

そこで約束!約束!

「ごめん、余計なお世話かも知れんが、僕にも君を心配するぞ~~~!」  約束やで!

指切り!

診察室には、「心配をさせてくれる人」が多い。

2015-01-07 18:30:40 薬を飲んでいないのに薬がなくなる話
不安障害、パニック障害の方々、次第に症状が軽快してくると、クリニックを卒業しましょうということになる。

不安なときの服用するお薬も、減量を開始、毎日しっかり服用から→ 時々忘れる→ 時々飲む→ ついで「と?きど?飲む」へと変わってくる。

「お守り代わりです」と言いながら、10回分程度のお薬で、半年?1年を長持ち、でもやっぱりお薬が手元にないと、心配で来院する。

いつでも服用できるよう、ポケットにでも入れておいてください。いつでも服用できる、という安心感があると、かえって服用しないですむ。 ポケットや財布にお薬を入れていると、プチプチに入っていても、種々の圧力がかかったり、擦れたりして、粉々になってしまう。

結局飲まない間に粉になって飲めなくなる。

実質、薬をなまないのになくなってしまうのである。

商社マンの憂鬱

彼は生粋の商社マンなのである。いつの間にか外国語大学を卒業、何も考えない間に商社に入社、入社以来、ズズズウウウ~と海外勤務が続いた。最初はアメリカ合衆国、アフリカ、インド、南米・・・・もう何年も海外勤務、外国暮らしのほうが長くなってしまった。怖い所も、やばいところもいっぱい行ってきた。炎熱商人なんて小説があったっけ。

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商社マンとしての手腕???それは、それはみんなに一目置かれる。そんなこんなで本社勤務を命じられた。

そんな彼がなんと、会社に行こうとすると、不安で、不安で、息苦しい、アアアー苦しい、アアアーしんどい。世界中でも怖いところ、やばいところもいっぱい経験してきた彼が、である。本社勤務が不安なのである。

そこで当院にやってきた。聞けばどうも、派閥あり、狭い空間、狭い人間関係、ゴチャゴチャした人間関係あり。しんどいね、宮仕え。

広い世界相手に飛び回ってきたのに・・・息苦しいな~~~。

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そんなこんなで、彼の希望も聞いて、海外出張を増やしてもらえるよう会社と相談することにした。会社としては「うつ」の人をいくら本人の希望といえ海外出張に出すのも心配という。モットもな心配。

そこで奥様の登場、なかなか家庭的な会社で奥様がお願いすると、それではやってみましょうとOKがでた。良い会社です。

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なんとなんと!生き生きした彼に戻り始めた。インド、アフリカの田舎のほう行きましたね。危険ないですかね、言いだしっぺの私も少し心配です。

ところがところが、当の彼、月に1度の海外出張すっきりしますね~~~息を吹き返しました。結局、以後定期的に海外出張することで元気取り戻しました。今は、狭い日本、狭い派閥もなんのその。当院は卒業よかったですね。

日本のためにもがんばってよ~!

私の部屋には、彼から頂いた「ガネーシャ:インドの知恵の神様」が私を見守っていてくれている。ガハハと笑うのがよく似合う人です。

お医者さん呼ぼう!子育てに自信をなくしているお父さんお母さんへ

未成年の診察についてのお話。自信をなくしている親御さんたちに私がよくするお話である。

昔、昔、私の息子が生後7~8ヶ月の頃、私も妻も研修医の時代の話である。私と異なり、私の妻は非常に優秀な内科医であった。 私は、アイスクリームを食べていた、あんまりおいしいので、息子にも一口と思い、スプーン一口なめさせた、ナナ・・・なんと息子が真っ赤になり始めた、蕁麻疹である「エライコッチャ、ド・ド・ドウショウ、ドウショウ」動転した私は、あの優秀な内科医の奥さんに助けを求めた、「えらいコッチャド・ド・ドウショウ、ドウショウ」と私はウロウロするだけであった。なんと、あれだけ優秀な内科医の奥さんも 「ド・ド・ドウショウ、ドウショウ」「お医者さん、呼ばなあかん!!」と言い始め、仕方がないので同級生の小児科の先生に電話をした。 「15分待ってごらん、それで治まらなかったら、絶対何とかするから」と力強い一言をいただき。長い、長い15分をわれわれ夫婦二人は耐えた。

ナナなんと、同級生の小児科の先生の言うとおり、スウウ~と蕁麻疹は引いていった。

以来私はこの同級生を尊敬してしまうのである。

「そうなんですよ、自分の蕁麻疹ならこんなものと、待てますが、自分の子供、身内は動転するのですよ、だからお母さん、お父さん一度落ち着きましょうか」と、言うことにしている。

たいていの親御さんたちは、この話をお聞きになると、大笑いして、話がすすみ治療がすすみやすくなる。